2012年4月29日日曜日

映画「わが母の記」

多分、樹木希林が出る映画は好んで見るだろう。
なんともいえない雰囲気がホッさせてくれる。
本当は賢い女性だと思うのにさらりと見せる。
役所広司はシャルウイ・ダンスが本当に素敵だった。
年齢を重ねてさらに素敵に大成した小説家の葛藤を演じていた。
それもゆったりした大作家らしい雰囲気を・・・

2012年4月20日金曜日

万城目学著「鹿男あおによし」

題名からして、これが面白いのかな
と思った。
しかお?しかおとこ?
あおによし?奈良のまくらことば?
ところが読み始めると先が読みたくてたまらない、やめられない。
一気に読んでしまった。
おとぎ話じゃあるまいしと思いながら古代歴史をちゃっかり教えてくれる。
NHK歴史ヒストリアで卑弥呼をやっていたけれどフムフム。
三角縁神獣鏡が発見された時の報道ぶりも思い出される。

系列女子高が舞台。
京都の狐、奈良の鹿、大阪の鼠をとおしての古代歴史。
でも、キツネやネズミやシカがしゃべる世界はやっぱりおとぎ話。
それを熱心に読んでいる自分の姿を思うとそれも楽しい。
「おれ」や「重さん」や「藤原君」や「教頭先生」も本当に「いい人だ」

好きで暇があれば一人でもぶらっとでかける京都や奈良。
近々、「酒井芳一展」に出かける予定があるが楽しみ膨らんだようだ。

2012年4月14日土曜日

葉室凛著「蜩ノ記」

直木賞受賞作品
ドラマになる時代劇だと思いながら読んだ。
ストーリーが分かりやすくて読みやすい。
人物が入り混じらないのがいい。
読みながら景色が見える。
読みながら表情が見える。

「そなたは目立ったことをなすわけでもないのに、関わる者は生き方を変えていくようだ。心がけの良き者はより良き道を、悪しきものはより悪しき道をたどるように思える。」と戸田秋谷を貶め続けた家老の中根兵右衛門に言わしめる。
この言葉に戸田秋谷の人となりが凝縮されていると思う。
読み終わってやはりそうなったかと悲しいものの、心地よい未来があるのがいい。

配役は戸田秋谷には内野聖陽か?
NHK金曜ドラマ「蝉しぐれ」の牧文三郎役の好演を思い出した。
壇野庄三郎には渡辺大が爽やか?
親子共演もいいかな?
戸田織江、お由の方、戸田薫、水上信吾、慶仙和尚、
中根兵右衛門、中根大三、原市之進
ドラマになるのが楽しみ。

2012年4月8日日曜日

宮本輝著「」避暑地の猫」

読みながら景色が見え、心が見える繊細な表現。いつも、読み終わってドッと疲れてしまう。
心地よい満足に包まれた疲労。
「避暑地の猫」も一気に読んだ。
珍しいサスペンス風。
軽井沢を私は知らない。
そこで避暑をする人の感覚も様子も知らない。

でも、この本をあまり好きではない。
陰湿な感情に振り回される登場人物たちに子供が多い。
あるかも知れない、でもあって欲しくない。
それでも大好きな作家の本が新しく出たら買ってしまうに違いない。

2012年4月2日月曜日

高橋克彦著「炎立つ」 2)

5巻に入ってから遅々として進まなかった。戦ばかりが繰り返されて胸が重くてならない。
平泉が滅びるのはわかっている。
それに至に、どれほどの死者が野山にあふれるか?
1巻から4巻までのしつこい争いに辟易していた。

アフリカやインド、パキスタン、世界中の紛争もすべて被害を被るのは庶民ばかりだ。
なんのための争いなのか?
勝てば、結果オーライなのか?
誰がパチパチ拍手して喜ぶのか?
恨みの連鎖はどこで止まるのか?
ニュースでもうんざりしているのに読書でも争いか?

重い気持ちを引き上げるように、「とにかく読み終えよう。」と。
泰衡の考えが理解できなくて何を始めるのだろうと。
わっ!
民を、臣下を、命ながらえらすになんという奇策か。
民の、臣下の、平和を望むになんという慈愛か。

頼朝が平泉に入った時の情景が目に浮かぶようだ。
平和裏に見事に争いを回避。
すごい人がいたものだ。

陸奥の人々に辛抱強さ、忍耐強さはこうして継続させてきたものなのか。
3・11以来の東北の人たち、あれが蝦夷の魂なのか?
きっとそうに違いないと私は祈りを込めてそう思う。
平泉を旅して中尊寺金色堂を見たとき、傲慢を感じた。
今、訂正して畏敬の気持ちでいっぱいだ。